キャリパー

キャリパーのメンテナンス方法と注意点を学ぼう!

ディスクブレーキの根幹をなす重要パーツ

ディスクブレーキの仕組みは、ブレーキを掛けるとブレーキパッドがホイールに付けられた金属のディスクローターを両側から挟み込みホイールの回転を止めるように制動する仕組みです。
キャリパーはピストンを押し出す部分のパーツで、ディスクブレーキ方式の根幹ともいえる安全性能に大きな影響を与える重要なパーツです。

レバーやペダルの操作でブレーキをかけると、ブレーキオイルの圧力によってキャリパー内のピストンが飛び出して、ブレーキパッドで両側からディスクを挟み込み回転を止める作用をします。
制動にかかわるパーツなので、ブレーキオイルなどと同様にメンテナンスが大切です。

もちろんブレーキオイルは、量が減ったり古くなって劣化してしまうと、ブレーキの熱でオイル中に気泡を生じペーパーロック現象でブレーキの利き方が悪くなったり、水分を含んでパーツを錆びさせたりするので重要な消耗品です。
それに比べるとキャリパーは見落とされがちですが、キャリパーに汚れが付くとブレーキオイルの劣化を進めることにもつながりますので積極的にメンテナンスをしましょう。

簡易にできるメンテナンス

安全関連パーツの中で特に大事な制動関連のメンテナンスは、間違いがあれば重大事故に繋がりかねないので慎重に行いましょう。
しかし、見るからに汚れている場合等はブレーキ性能に多大な影響を及ぼすため積極的に洗い流しましょう。
バイクのホイールにキャリパーが付いたままの状態でブレーキパッドを取り外し、ピストンの周りを中性洗剤やクリーナーで十分に清掃するだけでもキャリパーの状態は改善し、制動能力は間違いなくアップします。

この清掃作業に当たっては、歯ブラシを使っての「こすり洗い」が有効で、思いのほか、かなりの汚れが落ちるはずです。
さらに水分をふき取った後で、メタルラバーなどをピストンの周囲にスプレーすると、ピストンの動きがスムーズになり制動能力は大幅にアップします。
この程度であればそれほど手間のかかるメンテナンスではありませんので、積極的に行いましょう。

簡易作業で済まないメンテナンス

仮に、サビやオイル漏れ等がなければ上記作業を続け、ピストンの周辺に付いた汚れを徹底的に取り除くようにしましょう。
上記のとおりディスクブレーキはキャリパーからピストンが飛び出す仕組みなので、キャリパー本体とピストンの間には隙間があります。
その隙間からブレーキオイルが漏れないようにピストンにピストンシールやダストシールというゴム製のリング状のパーツで守っています。

このパーツの手入れ中にピストンシールからオイルが沁みだしていたり、ピストンの周囲のヨゴレが著しいケースでは、キャリパーを分解しての細部にわたる清掃が求められ、シールチェンジが安心です。
ただし、ピストンは下端にキャリパーから外れない構造となっており、専用工具がなければ出来ませんので、プライヤーなどで無理に引き抜かないようにしましょう。