ステム

ステムベアリングのメンテナンス方法と注意点を学ぼう!

ハンドル操作に関連した重要パーツ

ステムベアリングはハンドル操作に関連する重要なパーツで、円滑なハンドル操作はステムベアリングで決まる、といっても過言ではありません。
この劣化・損傷が進むとハンドルにガタが出てきます。

しかし、ステムベアリングは劣化等の進行具合が分かりにくく、つい意識しなくなってしまうパーツの一つと言えます。
ステムベアリングが劣化・損傷しているのに、本人は慣れてしまいそのまま走行しているライダーは珍しくありません。
友人にそんなバイクを借り受けて走ってみると「アレっ、ハンドルがとられる!」という感想を持つことになります。
ただ、そのような感想を持った本人の所有バイクにも異常があり、逆に異常を感じたということも否定できません。
このように少しずつ劣化・損傷が進むために所有者本人が異常に気つかない点が厄介なのです。

ステムベアリングの劣化・損傷時に現れる症状

ステムベアリングの劣化・損傷が進むと、ステアリングに様々な症状が現れてきますので、慣れることなくその兆しに気づいてメンテナンスを行うことが必要です。
具体的には、ハンドルを左右に切った際に引っ掛かり感が出たり、ブレーキを掛ける時に「カツン」とハンドルにショックを感じる、低速時に直進性が不安定に感じフラついたり、というような症状が出てきます。

ただ、走行中に症状に気づくことは稀で、初期段階では前輪を浮かした状態でなければ判断不可能なことが多いです。
ステムベアリングの劣化・損傷を早期に把握する方法は、センタースタンドを立てて前輪を浮かせ、ハンドルを左右に切ってハンドルの引っ掛かりを確認します。

グリスアップがメンナンスの基本

テーパーローラータイプでのメンテナンスのポイントを示しますが、旧式のコーンタイプでも同じです。
タガネだけでステムシャフトを外せますがプーラーを使えば、ステムシャフトを傷付けずに円滑にベアリングを抜きだせます。
通常のメンテナンスであればグリスアップが基本ですので、ベアリングの損傷が激しくなければ、洗浄剤でローラーについた古く汚れたグリスを洗い流します。

そしてたっぷりとグリスアップを施しますが、使用するグリスはそこまで神経質にならなくてもよいのです。
滅多にメンテナンスを行わないという方なら、極圧性の高い高性能グリスがおススメです。
ただ、耐水性は絶対条件で、粘性の弱いグリスは雨等で流れ出るため不向きです。
ベアリングを入れ込むときは、金属ツールで直接ベアリングを叩かずに、ローラーが当たらない部分を均等に叩いて入れます。
フロントフォークなどを取り払い、ナットを緩めるとアンダーブラケットをはずすことが出来ます。
ブラケットがはずれた際、グリスを塗ったレースにベアリングを並べる型のものは、ベアリングが転げ落ちるケースが多いので、慎重に取り外すようにしましょう。